事務担当要注意!Webツールを使うとサーバにデータが残るリスク

CSVの文字化けを直したい。文章の修正箇所を確認したい。画像を軽くしてメールに添付したい。そんなとき、ブラウザですぐに使えるWebツールは、事務作業の助けになります。

ただ、仕事のファイルを選択する前に、一度確認しておきたいことがあります。それは、「そのデータは、どこで処理され、作業後にどうなるのか」という点です。

見た目が似ているツールでも、ファイルを自分の端末内で処理するものと、サービス側のサーバーへ送信して処理するものがあります。この記事では、業務データを扱う前に知っておきたい違いと、専門知識がなくても確認できる選び方を紹介します。

目次

仕事のファイルを選ぶ前に、含まれる情報を確認しよう

いつも使っているファイルにも、社外へ不用意に渡せない情報が含まれていることがあります。名簿なら氏名や連絡先、見積書なら取引先名や金額、売上データなら顧客別の取引状況などです。

「文字コードを変えるだけ」「画像を少し軽くするだけ」という作業でも、ファイルをサーバーへ送信する仕組みなら、その内容をサービス側へ渡すことになります。

送信後の保存期間や利用目的が分からなければ、作業を終えたあともデータが残るのか、誰が扱う可能性があるのかを判断できません。ページを閉じたり、自分のパソコンから元ファイルを削除したりしても、サーバー上のデータが消えるとは限りません。

まずは「このファイルに何が含まれているか」「その情報を外部サービスで扱ってよいか」を確認しましょう。IPAのクラウドサービス安全利用の手引きでも、取り扱う情報の重要度や、自社のセキュリティルールとの整合性を確認することが挙げられています。

Webツールは、データを処理する場所がそれぞれ違う

Webツールのデータの扱いを理解するには、まず「ブラウザ内で処理する方式」と「サーバーへ送信して処理する方式」を知っておくと便利です。ひとつのツールが、機能によって両方を使い分ける場合もあります。

処理の方式データの扱い確認するポイント
ブラウザ内で処理自分の端末でファイルを読み込み、編集・変換するファイル内容をサーバーへ送信しないと明記されているか
サーバーへ送信して処理サービス側で編集・変換し、結果を受け取る送信先、保存期間、削除する条件が明記されているか

ブラウザ内で処理するツールは、ファイル内容の送信を避けられる

ファイル内容を送信せず、ブラウザ内だけで処理するツールなら、その作業のためにファイルをサービス側へ渡す必要がありません。必要な機能がそろっている場合は、業務データの外部送信を減らす選択肢になります。

ただし、「ブラウザで使える」という説明だけでは、ブラウザ内で処理するとは限りません。「ファイル内容をサーバーへ送信しません」など、処理対象のデータについて具体的な説明があるかを確認してください。

サーバーで処理するツールは、保存・削除の条件を確認する

画像やファイルの変換などでは、サーバーへデータを送信して処理するツールもあります。この方式では、データをどのように管理し、いつ削除するのかが判断材料になります。

処理のために一時保存し、結果のダウンロード後に削除するものもあれば、一定期間保存するものもあります。サーバーを使うだけで危険と決めつけず、扱う情報に合った管理方法かどうかを確認しましょう。

Webツールを選ぶときに確認したい5つのポイント

1.どこで処理し、どこへ送信するのか

ツール画面の注意書きや「データの取り扱い」「よくある質問」を開き、処理場所を確認します。サーバーへ送信する場合は、そのサイトのサーバーで処理するのか、別の外部サービスにも渡すのかも確認したい点です。

「外部サービスへ送信しない」という説明が、そのサイト自身のサーバーへの送信まで含むとは限りません。何を、どこへ送るのかまで読み取ることが大切です。

2.何のために使い、どれくらい保存するのか

入力した文章やファイルが、依頼した編集・変換のために使われるのか、それ以外の利用についても記載があるのかを確認します。保存する場合は、処理中だけなのか、処理が終わっても一定期間残るのかを見ておきましょう。

「長期保存しません」「適切に削除します」だけでは、具体的な期間は分かりません。仕事のデータを扱うなら、保存期間や削除のタイミングまで説明されていると判断しやすくなります。

3.作業を中断した場合も削除されるのか

正常に処理できた場合だけでなく、キャンセルしたとき、通信が切れたとき、途中でページを閉じたときの扱いも確認しましょう。

また、「一定時間後にダウンロードできなくなること」と「サーバー上のファイル自体が削除されること」は別です。自動削除の案内がある場合も、その対象とタイミングを確認してください。

4.説明は、実際に使う機能にも当てはまるか

同じサイトにあるツールでも、処理方法は共通とは限りません。文章を貼り付ける場合と、ファイルを選択する場合で、データの扱いが変わることもあります。

サイト全体の紹介文に加えて、これから使う機能の画面に表示される案内を確認しましょう。送信の同意や注意書きが表示されたら、処理を始める前に内容を読みます。

5.会社の利用ルールに合っているか

データの扱いが明確でも、会社で利用を認められているとは限りません。個人情報や機密情報を含むファイルでは、使用できるサービスや持ち出しの条件が定められている場合があります。

無料・有料、会員登録の有無だけで判断せず、扱う情報とツールの仕様を社内ルールに照らして確認してください。判断に迷う場合は、ファイルを送信する前に社内の担当者へ相談しましょう。

よくある事務作業で、ツールの仕様を確認してみよう

ここからは、事務人のツールを例に、どのような説明を確認すればよいか見ていきます。機能とデータの扱いを一緒に見ると、実際の作業に合うかを判断しやすくなります。

商品コードなどを保ちながら、CSVの一部を修正したい

商品コードや管理番号が入ったCSVでは、先頭の「0」を落とさずに修正したいことがあります。数式で計算する必要がなく、セルの文字や行・列を直したい場合は、文字列として編集できるツールが候補になります。

事務人のCSVエディターは、CSVを表形式で開き、各セルを文字列として編集するツールです。公開ページでは、読み込み・編集・書き出しをブラウザ内で行い、ファイル内容や編集内容をサーバーへ送信・保存しないと案内されています。

編集内容の自動保存には対応していないため、作業が終わったら結果をダウンロードしてからページを閉じましょう。

CSVやTXTの文字コードをそろえたい

受け取ったCSVを開くと日本語が文字化けする、取り込み先のシステムから文字コードを指定されている。こうした場合は、元の文字コードと、変換先に必要な文字コードを確認します。

事務人の文字コード変換ツールでは、複数のTXT・CSVファイルを指定した文字コードへ変換し、ZIPにまとめられます。ファイル内容はブラウザ内だけで処理し、サーバーへ送信しない仕様と説明されています。

変換後は、日本語や記号が意図どおりに表示されるか確認してください。元のファイルも残しておくと、変換条件を見直すときに戻れます。

案内文や社内文書の修正箇所を確認したい

修正前後の案内文を見比べるときは、変更点を表示するツールが役立ちます。長い文章を目で追う負担を減らし、変更された箇所を確認できます。

事務人の文章・ファイルの違い比較ツールには、文章を貼り付けて比較する機能があります。この貼り付け比較は、ブラウザ内で処理し、文章をサーバーへ送信しないと案内されています。

ファイル比較とはデータの扱いが異なるため、ここで紹介した「文章を貼り付けて比較する機能」の説明として確認してください。比較結果を見たあとは、日付や金額、宛先など、誤りがあると困る箇所も確認しておきましょう。

メールや報告書に使う画像を軽くしたい

画像が大きくてメールに添付できないときや、報告書のファイルサイズを抑えたいときには、画像の軽量化が役立ちます。この作業では、画像に写り込んだ氏名や書類の内容にも気を配りたいところです。

事務人の画像軽量化ツールは、必要に応じて画像をサイトのサーバーへ一時送信・保存する方式です。公開ページには、ダウンロード・作業終了・キャンセル時に削除すると記載されています。

処理の中断などで一時ファイルが残った場合は、60分経過後に利用できなくなり、次回の自動清掃で削除されると説明されています。「60分以内にすべてのファイルが完全に消える」という意味ではありません。

このように、一時送信が必要なツールでも、保存する理由や削除条件が具体的に示されていれば、利用できるデータかどうかを判断する材料になります。軽量化した画像は、保存後に文字の読みやすさや画質も確認しましょう。

なお、ここで紹介した仕様は、各ツールの公開説明に基づくものです。処理対象のファイル内容と、会員情報・アクセスログなどの取り扱いは区別して確認してください。事務人のプライバシーポリシーには、一時ファイル、ログ、キャッシュ、バックアップ等にデータが残存する場合の記載もあります。利用時は各ツールの最新の案内とあわせて確認しましょう。

便利さとデータの扱いを、セットで確認しよう

Webツールを選ぶときは、使いやすさや対応形式に加えて、データの扱いも確認したいポイントです。

必要な作業がブラウザ内で完結するなら、ファイル内容を外部へ送信せずに済むツールが選択肢になります。サーバーでの処理が必要なら、送信先、保存期間、終了・中断時の削除条件まで確かめましょう。

「どこで処理するか」「何が残るか」「いつ削除するか」。この3つを、扱う情報と社内ルールに照らして確認することが、安心して使えるツールを選ぶための基本です。

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